財産所得、20年で1.8倍。
利子や配当など、家計が受け取る財産所得が増えています。背景には金利上昇、株主還元、新NISAをはじめとする資産運用支援策などがあると考えられます。
先日、日本経済新聞で「財産所得、20年で1.8倍」という記事を読みました。
財産所得とは、家計が受け取る利子や配当などのことです。記事によると、2025年の家計の財産所得は、20年前と比べて大きく増えているとのことでした。
背景には、金利の上昇、企業の株主還元の強化、そして新NISAをはじめとする政府の資産運用支援策などがあると考えられます。
私はこの記事を読んで、あらためて「資産運用は、一部の人だけのものではなくなってきた」と感じました。
インフレの時代、預金だけでは守りきれないこともある
ここ数年、食品、電気代、ガソリン代、外食費など、生活のさまざまな場面で値上がりを感じるようになりました。
たとえば、以前は1万円で買えていた食料品が、今は同じ量を買おうとすると1万1,000円、1万2,000円かかる。こうしたことが少しずつ積み重なると、家計への影響は決して小さくありません。
仮に銀行に100万円を置いていたとしても、物価が上がれば、その100万円で買えるものは少なくなります。通帳の金額は減っていなくても、実質的なお金の力は弱くなっている可能性があります。
つまり、インフレの時代には、何もしないことにもリスクがあるということです。
ただし、焦って投資を始めるのは危険
では、すぐに株式投資や投資信託を始めればよいのか。私は、そう単純には考えていません。
たとえば、同じ50代のご家庭でも状況はまったく違います。
- 住宅ローンがまだ残っている方
- お子さんの教育費がこれから大きくかかる方
- 退職金が見込める方
- 自営業で収入に波がある方
- 親の介護費用を考えておく必要がある方
このように、家計の状況や将来の予定が違えば、取れるリスクも変わります。
ある人にとっては、毎月3万円の積立投資が無理のない範囲でも、別の人にとっては家計を圧迫するかもしれません。
大切なのは、「みんながやっているから始める」ではなく、まず自分の家計と将来の計画を確認することです。
先に考えるべきは、商品ではなくライフプラン
資産運用というと、多くの方が最初に「どの商品を買えばいいですか」と考えます。もちろん商品選びも大切です。しかし、その前に考えるべきことがあります。
それは、いつ、何のために、どれくらいのお金が必要なのかということです。
たとえば、3年後に車を買い替える予定のお金を、値動きの大きい投資に回すのは慎重に考える必要があります。近い将来に使うお金は、元本割れすると困るからです。
一方で、老後資金のように10年、20年という長い時間をかけて準備するお金であれば、投資信託などを活用して、少しずつ運用していく選択肢も出てきます。
このように、お金には「すぐ使うお金」「数年以内に使うお金」「長期で育てるお金」があります。それぞれの役割を分けて考えることが、資産運用の第一歩です。
インフレを敵にするか、味方にするか
インフレは、家計にとって厳しい面があります。生活費が上がり、同じ収入でも余裕が少なくなるからです。
しかし、見方を変えると、インフレの時代には、企業の売上や利益が伸び、株価や配当が増える可能性もあります。もちろん必ずそうなるわけではありませんが、経済の成長に自分の資産の一部を参加させるという考え方は、これからますます大切になると思います。
インフレをただの敵にするのか。それとも、うまく付き合いながら味方にしていくのか。その違いは、日々の投資行動や家計管理に表れてきます。
金融機関の勧誘にそのまま乗らないことも大切
一方で、注意したいこともあります。「資産運用が必要です」と言われると、不安になって、すすめられた商品をそのまま契約してしまう方もいます。
しかし、金融商品には手数料やリスクがあります。銀行や証券会社の担当者がすすめる商品が、必ずしもその人にとって最適とは限りません。
必要なのは、焦って動くことではありません。まずは基本的な知識を身につけ、自分に合ったリスクの範囲を知ることです。
そして、必要であれば、商品を売る立場ではなく、家計全体を見て一緒に考えてくれる相談相手を持つことも大切だと思います。
まとめ:対策は必要。でも焦りは禁物
財産所得が増えているというニュースは、資産運用が家計にとって身近なものになってきたことを示しているように感じます。
インフレが続くなかで、資産を守るために運用を考えることは、これからますます大切になります。ただし、資産運用は勢いで始めるものではありません。
まずは家計を整理する。将来必要なお金を確認する。生活防衛資金を確保する。そのうえで、自分に合ったリスクの範囲で、無理なく運用を考える。この順番が大切です。
対策は必要です。でも、焦りは禁物です。
もし、「NISAを始めたほうがいいのか」「預金をどれくらい残せばいいのか」「今の家計で投資をしても大丈夫なのか」と迷っている方は、まずは家計全体を一度整理してみることをおすすめします。
商品を選ぶ前に、自分に合った運用の形を考える。それが、インフレ時代の資産防衛の第一歩になると思います。
※本記事は上記記事を読んだ筆者が、内容を自分の言葉で要約・論評したものです。