← ブログ一覧に戻る
📰 今回のニュース(日本経済新聞 2026年6月)

「仕組み預金」の説明を手厚く。
金融庁が、金利の高さが目立つ一方で、解約制限などのリスクがある仕組み預金について、金融機関に対して顧客向け説明の充実を求める方針と報じられました。

先日、日本経済新聞で、「仕組み預金」の説明をより手厚くするよう金融庁が対応を求めている、という記事を読みました。

仕組み預金とは、通常の定期預金に、満期の延長や中途解約の制限など、特別な条件が付いた預金商品のことです。

一見すると「高金利の定期預金」のように見えます。しかし、通常の定期預金とは異なり、満期が銀行側の判断で延長されたり、途中で解約しようとすると不利な条件になる場合があります。

ここが、非常に分かりにくいところです。

「仕組み預金」という名前で売られているとは限らない

注意したいのは、こうした商品が必ずしも「仕組み預金」という名前で販売されているわけではない、という点です。

代表例としては、ネット銀行を中心に、楽天銀行の「楽天エクステ預金」、SBI新生銀行の「パワーステップアップ預金2」、住信SBIネット銀行の「円仕組預金 プレーオフ」などがあります。

これらの商品がすべて悪いという意味ではありません。ただし、通常の定期預金とは異なり、商品によって、満期が延長されたり、長期間引き出せなかったり、中途解約時に不利になるなど、さまざまな制約がある場合があります。

そのため、商品名だけで「普通の預金」と思い込まず、仕組みを理解してから契約することが大切です。

また、地方銀行などでは商品名だけでは仕組み預金だと分かりにくいケースもあります。「高金利の定期預金」と案内された場合でも、満期延長や中途解約の条件を必ず確認する必要があります。

高金利には、理由がある

仕組み預金の魅力は、通常の定期預金よりも高い金利に見えることです。

低金利が長く続いてきた日本では、「預金で少しでも高い金利がつく」と聞くと、魅力的に感じる方も多いと思います。

特に、株式や投資信託のように値動きがある商品に抵抗がある方にとって、「預金」という言葉は安心材料になります。

しかし、金融商品において、高い金利や高い利回りには、ほとんどの場合、何らかの理由があります。

仕組み預金の場合、その理由の一つが、満期や解約に関する条件です。

たとえば、当初は1年のつもりで預けたお金が、条件によっては長期間引き出せなくなる可能性があります。また、どうしても途中で解約したい場合に、手数料や調整金などによって、実質的に不利な条件になることもあります。

つまり、金利が高い分、利用者側が何らかの制約を受け入れているということです。

銀行の商品だから安心、とは限らない

多くの方にとって、銀行はとても身近で、信頼できる存在です。

給与の受け取り、公共料金の引き落とし、住宅ローン、年金の受け取り。日常生活の中で、銀行と関わらない人はほとんどいません。

だからこそ、「銀行ですすめられた商品なら安心だろう」と感じるのは自然なことです。

しかし、銀行が扱う商品であっても、すべての人に適しているとは限りません。

銀行側にも、預金を集めたい事情や、商品を販売する事情があります。もちろん、金融機関が必要な説明をしていないと決めつけるつもりはありません。ただ、説明を受けたことと、本当に理解して納得していることは別です。

細かい文字の金融商品書類を慎重に確認している手元
書類上は説明されていても、短時間で正確に理解するのは簡単ではありません。

特に、重要事項説明書や契約書類は、文字が小さく、内容も専門的になりがちです。一般の方が短時間で正確に理解するのは簡単ではありません。

高齢の方であれば、なおさらです。

「説明は受けたけれど、実際にはそこまで重要な条件だと思っていなかった」「普通の定期預金に近いものだと思っていた」「途中で解約できると思っていたが、思った以上に不利だった」

こうした誤解が起きやすい商品であることは、利用者側も知っておく必要があります。

特に確認したい3つのポイント

01
満期が延長される可能性
当初の期間だけで終わるとは限らず、銀行側の判断や商品条件によって預入期間が延びる場合があります。
02
中途解約の条件
急にお金が必要になったとき、自由に引き出せるのか。手数料や調整金、元本割れの可能性を確認します。
03
本当に長期間使わないお金か
生活費、医療費、介護費、住宅修繕費など、将来まとまったお金が必要になる可能性を考えておきます。

「預金保険の対象」でも、すべて安心ではない

仕組み預金も、円建ての商品であれば、預金保険制度の対象となるのが一般的です。

ただし、預金保険制度で守られるのは、銀行が破綻した場合の元本1,000万円までとその利息です。

途中解約したときの不利な条件や、長期間お金を動かせない不便さ、金利上昇時により有利な商品へ移れない機会損失まで守ってくれる制度ではありません。

つまり、預金保険制度の対象だからといって、通常の普通預金や定期預金と同じ感覚で考えてよいわけではないのです。

金融機関の説明だけに頼りすぎない

私は、金融機関がすべて悪いと言いたいわけではありません。

銀行には銀行の役割があり、金融商品にも、それぞれ向いている人・向いていない人があります。

ただし、金融機関は商品を販売する立場でもあります。そのため、説明を聞く側も、「自分に本当に合っているのか」という視点を持つ必要があります。

家族で金融商品の書類を確認している様子
その場で決めず、家族や信頼できる相手と確認する時間を持つことも大切です。

特に注意したいのは、次のような言葉です。

  • 普通の定期預金より金利が高いです
  • 預金なので安心です
  • 長く使わないお金なら向いています
  • 途中解約しなければ問題ありません

どれも一見すると安心できる説明に聞こえます。しかし、その裏側にある条件まで理解して初めて、判断できる商品です。

大切なのは、担当者の説明を疑うことではありません。説明を聞いたうえで、自分でも確認することです。

分からない言葉があれば、その場で聞く。持ち帰って家族に相談する。必要であれば、中立的な立場の専門家に確認する。そのくらい慎重でよいと思います。

まとめ:銀行の商品でも、最後に守るのは自分自身

仕組み預金は、通常の定期預金より高い金利に見える一方で、満期延長や中途解約の制限など、分かりにくい条件が付いている商品です。

商品そのものが悪いというより、問題は「普通の預金と同じように理解されやすいこと」にあると思います。

銀行の商品だから安心。預金という名前だから安全。担当者がすすめるから大丈夫。

そう考えてしまう気持ちは、とてもよく分かります。

しかし、大切なお金を預ける以上、最後に守るのは自分自身です。

高い金利だけで判断しない。契約期間を確認する。中途解約の条件を確認する。本当に長期間使わないお金なのかを考える。分からなければ、その場で契約しない。

この姿勢が大切です。

金融商品は、仕組みを理解して使えば役に立つこともあります。しかし、理解しないまま契約すると、後で大きな不満や後悔につながることがあります。

何事も、慎重に検討してほしいと思います。

参考・出典 ・日本経済新聞「『仕組み預金』説明手厚く」(2026年6月7日)
・金融庁「顧客本位の業務運営に関する原則」

※本記事は上記報道を読んだ筆者が、内容を自分の言葉で要約・論評したものです。個別の商品を推奨または否定するものではありません。