前回は、支出を固定費と変動費に分けて考えることが大切だと書きました。
今回は、その中でも特に見直し効果が出やすい固定費について考えていきます。
固定費の中でも、まず確認したいのが、保険料、通信費、サブスクです。
この3つは、生活に必要だったり、便利だったり、安心につながったりする支出です。だからこそ、見直しが後回しになりがちです。
しかし、必要な支出と惰性の支出が混ざってしまうと、気づかないうちに家計を圧迫します。
保険料は、入りすぎていないかを確認する
保険は、万が一のときに備えるための大切なものです。
ただ、家計相談をしていると、必要以上に多く入っている保険や、今の家族状況には合わなくなっている保険を見かけることがあります。
- 保険会社の勧誘をそのまま受け止めて契約した
- 親戚や知り合いとの付き合いで契約した
- 昔入ったまま、今の家族状況に合っているか確認していない
という方も少なくありません。
こうした保険は、一度確認する価値があります。
そもそも保険は、何かあったときに、今の家計だけでは対応できない不足分を補うためのものです。
本当に保険で備えるべきなのは、その出来事が起きたときに家計が破綻するリスクです。
たとえば、若くして世帯主が亡くなり、遺された家族の生活費や子どもの教育費が不足する場合。自宅が火災などで大きな損害を受ける場合。自動車事故で大きな賠償責任を負う場合。
こうしたリスクは、貯蓄だけで対応するのが難しいため、保険の役割が大きくなります。
もちろん、本当に必要な保障であれば保険は大切です。ただし、不安だから何でも入るのではなく、今の家族構成、収入、貯蓄、住宅ローン、子どもの年齢などに合わせて、必要な保障を考えることが大切です。
一方で、返戻金や運用を重視した保険は、仕組みが分かりにくく、手数料が高く、早期に解約すると受け取れる金額が払込額を下回ることがあり、条件確認が必要です。
保険会社ごとに商品内容は少しずつ違い、パンフレットや重要事項説明を細かく読むのは簡単ではありません。だからこそ、営業担当者の説明に頼りがちになりますが、「自分の家計に本当に必要な保障なのか」という視点で見直すことが大切です。
保険料の見直しは、単なる節約ではありません。必要な保障を残しながら、過剰な支出を減らす作業です。
通信費は、契約を見直すだけで下がることがある
次に見直したいのが、通信費です。
スマートフォンやインターネットは、今の生活に欠かせません。だからこそ、毎月の料金をあまり意識せずに払い続けている方も多いと思います。
大手キャリアの契約を長く続けている。使っていないオプションが付いたままになっている。家族全員の通信契約を一度も見直していない。
こうした場合、料金プランや通信会社を見直すだけで、支出が下がることがあります。
特に通信費は、契約内容が分かりにくい支出の一つです。
窓口で契約したまま、使っていないオプションが残っている。自分のデータ使用量に合わない高いプランを続けている。家族割やセット割が本当に得なのか分からないまま契約している。
こうしたケースは珍しくありません。
理想を言えば、自分の使用状況を確認したうえで、格安SIMやオンライン専用プランも含めて比較できるとよいと思います。
ただ、ネットでの申し込みや設定が苦手な方もいます。その場合は、無理に一人で判断せず、家族や詳しい人に相談したり、大手キャリアのサブブランドも含めて検討したりするだけでも十分です。
もちろん、通信品質、サポート、家族割、仕事での利用状況なども考える必要があります。単純に安ければよいという話ではありません。
ただ、今の使い方に合っていない高いプランを続けているなら、見直す価値は十分にあります。通信費は、生活の質を大きく落とさずに削減しやすい固定費の一つです。
サブスクは、使っていないものを洗い出す
サブスクも、見直し効果が出やすい支出です。
動画配信、音楽配信、定期購読、アプリ課金、定期購入など、サブスクは多岐にわたります。
ここで言いたいのは、楽しみをすべて解約しましょうということではありません。使っているもの、生活を豊かにしているものは残してよいと思います。
見直したいのは、使っていないもの、似たようなサービスが重複しているもの、解約しようと思っていたのに忘れているものです。
月額1,000円、2,000円でも、複数重なると大きな金額になります。しかも、サブスクは毎月自動で引き落とされるため、気づかないうちに払い続けてしまいがちです。
サブスクは、分かりやすい動画配信や音楽配信だけではありません。
携帯料金に含まれているオプション、ネット回線の付帯サービス、クラウド容量、アプリ課金、ネットショッピングの定期購入など、いろいろなところに紛れています。
一つひとつを見ると、「これは必要」と思うものも多いと思います。ただ、全体で見ると、似たようなサービスが重なっていたり、最近ほとんど使っていなかったりするものが見つかることがあります。
一度、クレジットカード明細や家計簿アプリを見て、毎月定額で引き落とされているサービスを洗い出してみてください。
そのうえで、次のように分けると整理しやすくなります。
- よく使っていて、生活の満足度を上げているもの
- たまに使うが、なくても困らないもの
- 契約していることを忘れていたもの
- 似たようなサービスが重複しているもの
すべてを解約する必要はありません。ただ、「残すもの」と「やめるもの」を自分で選ぶことが大切です。
固定費は、必要なものを残して整える
固定費の見直しで大切なのは、何でも解約することではありません。
本当に必要なものを残し、優先度の低いものや惰性で続けているものを整理することです。
保険は、今の家族に必要な保障か。通信費は、現在の使い方に合ったプランか。サブスクは、実際に使っているか。
この確認をするだけでも、不要な支出が見えてきます。
固定費を整えると、毎月の家計に余裕が生まれます。その余裕は、貯金や将来の備え、家族の楽しみに回すことができます。
固定費の節約は、我慢を続ける節約とは違います。
一度見直せば、その効果が毎月続きます。だからこそ、家計改善を始めるなら、まず保険料、通信費、サブスクから確認してみてください。
次回は、変動費の中でも特に話題になりやすい食費について、生活の質を落とさずにどう考えるかを整理していきます。
固定費の見直しは、暮らしを小さくするためではありません。必要な安心や楽しみを残しながら、惰性で続いている支出を整えるための作業です。